【6月18日 AFP】17日に投開票が行われたギリシャ議会の再選挙で、財政緊縮策の継続を訴える旧与党の新民主主義党(ND)が第1党となる見通しとなった。同じ緊縮派の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)と合わせた獲得議席は過半数に達する見込み。

 選挙結果はユーロ圏の将来を左右するとみられていただけに、全世界が注目していた。

 暫定的な公式結果によればNDの得票率はトップの30.04%。NDのアントニオ・サマラス(Antonis Samaras)党首は記者会見で、「ギリシャ国民はきょう、ユーロ圏にとどまる意志を表明した」と述べた。18日に、連立を組む可能性が最も高いPASOKとの協議に入るとみられる。

 当初の出口調査では緊縮策に反対する急進左派連合(SYRIZA)とNDの得票率が拮抗(きっこう)していたが、同党の暫定得票率は26.57%とNDに続き2位になっている。SYRIZAのアレクシス・ツィプラス(Alexis Tsipras)党首は敗北を認めた一方、連立政権入りは否定した。

 ギリシャはこれまで厳しい緊縮策を条件に、EUなどから財政支援を受けてきたが、ツィプラス氏は、再選挙で政権を取ることができたら欧州連合(EU)、国際通貨基金(IMF)と合意した財政支援策を18日中に無効にすると宣言していた。一方、NDのサマラス党首は、再選挙はギリシャがユーロ圏にとどまるか、離脱して通貨ドラクマに戻るかの選択だと訴えていた。

 依然としてギリシャは危機にあるとの受け止めからアテネ(Athens)市内ではわずか100人ほどの支持者が市中央部のシンタグマ広場(Syntagma Square)に集まっただけで、NDの勝利を祝う雰囲気はあまり見られない。(c)AFP/Dario Thuburn

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