【5月28日 AFP】東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所事故当時の首相だった菅直人(Naoto Kan)前首相は28日、国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会に参考人として出席し、事故は「国策として進められた原発によって引き起こされたものであり、最大の責任は国にある」と謝罪した。

 前年3月の福島原発以降、原発に強く反対する姿勢を表明するようになった菅前首相は「事故が発生したときの国の責任者として、事故を止められなかったことをおわびする」と語った。

 また菅氏は、東京電力が政府に事故の情報を伝えなかったことを批判。さらに、「見えない敵との戦いであり、命を賭ける戦いだと思った」と述べた。

■枝野氏も事故調で証言

 前日の27日には事故当時官房長官だった枝野幸男(Yukio Edano)経済産業相が事故調査委員会に参考人として出席。菅前首相の福島原発訪問について問われ、経産省原子力安全・保安院(Nuclear and Industrial Safety Agency)や東電からの情報が二転三転していたことが理由だったと語り、経産副大臣以上の誰かが現地に行き状況を把握する必要があったと振り返った。

 また枝野氏は当時、米国から総理大臣官邸に常駐したいと申し入れがあったが、国家主権の侵害を理由に拒否したことを明らかにした。(c)AFP/Hiroshi Hiyama