【4月26日 AFP】スウェーデン政府から正式な晩餐(ばんさん)会の招待状を受け取った元作業療法士のマルガレータ・ビンベリ(Margareta Winberg)さん(67)は、少し驚きつつもドレスアップして会場へと向かった。

 だが到着したビンベリさんを見て、晩餐会を主催したレーナ・エーク(Lena Ek)環境相をはじめとする会場にいた有力政治家や外交官たちは面食らってしまった。

 招待していたのは、ビンベリさんと同姓同名の、スウェーデンの農相や副首相などを歴任したマルガレータ・ビンベリ(Margareta Winberg)氏だったからだ。

 ストックホルム(Stockholm)で開催される環境会議に先立って16日に行われたこの晩餐会には、環境政策に詳しい政界のエリートたちが招待されていた。エーク環境相の報道官は「(環境相は)驚き、間違いがあったことを残念に思った」とAFPに語った。

■記念撮影にも参加

 しかし同報道官によれば、この「人違いの」ビンベリさんは晩餐会に招かれ、居心地が悪くならないよう丁重にもてなされたという。報道官は「ビンベリさんはたくさんの興味深い人々に囲まれ、良い時間を過ごせたと言っていた」と述べた。

 ビンベリさんは現地紙ダーゲンス・ニュヘテル(Dagens Nyheter)の取材に、招待状を受け取ったときは驚いたと語った。だが「招待状におかしなところは無かったので、出席するべきだと思った」という。会場に到着した時に手違いだったことに気付いたが、「『ぜひどうぞ』と言われたのでそのままとどまった」

 晩餐会の後には、ビンベリさんを含む出席者全員の記念撮影が行われた。「ビンベリさんも出席者の1人だったので写真にも入るべき」と報道官は説明した。写真撮影はビンベリさん抜きでもう1回行われたという。

 ビンベリ元副首相には、エーク環境相がその夜のうちに謝罪の電話を入れ、2人は近く夕食を共にすることを約束したという。(c)AFP