【4月17日AFP】(一部更新、写真追加)優れた報道などに授与されるピュリツァー賞(PulitzerPrize)の2012年受賞者が16日に発表され、フランス通信(AgenceFrance-PresseAFP)、米ニュースサイト「ハフィントン・ポスト(HuffingtonPost)」、米政治専門サイトのポリティコ(Politico.com)がそれぞれ初めて受賞した。

今年はオンラインジャーナリズムが高く評価された結果となった。1917年創設のピュリツァー賞は、3年前からウェブサイトでのみ発表された報道も対象としている。


AFPの写真記者マスード・ホサイニ(MassoudHossaini)氏は、アフガニスタンのカブール(Kabul)で前年12月6日に起きた宗教行事を狙った自爆攻撃の直後に撮影した写真で「ニュース速報写真」部門賞を受賞した。

ピュリツァー賞委員会は受賞作品について、犠牲者の遺体に囲まれて泣き叫ぶアフガニスタン人の少女の写真は「胸が張り裂けるような画像」だったと評した。ホサイニ氏の写真について、ピュリツァー賞委員会のアドミニストレーター、シグ・ギスラー(SigGissler)氏は「強く印象に残る一枚の写真」「一度目にしたら長く記憶に残る」と語った。

AFPのエマニュエル・オーグ(EmmanuelHoog)最高経営責任者(CEO)は「(ピュリツァー委員会から)AFPの中でも最も勇敢で優秀なフォトジャーナリストの一人であるマスード・ホサイニに栄誉が与えられた。また、受賞は、幅広くジャーナリズムを追求する中でAFPがこだわってきた報道の質と姿勢が認められた証しでもある」と述べ、「今日の報道では文章だけでは精彩を欠き、写真だけでは不十分だ。この2つは補完し合う関係にある。静止画であれ動画であれ、画像は21世紀のジャーナリズムに不可欠の要素だ。マスードにブラボー、そしておめでとう」と付け加えた。

カブールを拠点に取材活動を続けるホサイニ氏は、受賞の報に「とても幸せで興奮して」眠れないほどだったと述べ、「一人のアフガニスタン人として、ここでアフガニスタンの人々の苦しい生活などを謙虚に伝えていきたい」と語った。

AFPの写真記者らにピュリツァー賞、米2ウェブサイトも初受賞(2)

【関連記事】
・「気づけば死体の真ん中に」、自爆現場に居たAFP写真記者 インタビュー
・世界報道写真コンテスト、大賞は「アラブの春」 AFP震災写真も受賞