【3月27日 AFP】53か国の首脳らが参加し、韓国のソウル(Seoul)で開かれた核安全保障サミット(Nuclear Security Summit)は27日、核テロの脅威に対して、核兵器に使用可能な高濃縮ウラン(HEU)の民間利用を最低限に抑えるなどの断固とした行動で取り組むことを宣言する共同声明を採択して閉幕した。

 サミットは、兵器だけでなくエネルギーや医療に使用可能な核物質の安全性を確保することを目標にしている。

 AFPが確認した21日付の草案では、核兵器のない世界を目指した「具体的措置」の必要性が盛り込まれていたが、最終的に採択された共同コミュニケ(公式声明)ではこの文言は取り除かれており、「核軍縮、核拡散防止、原子力の平和利用という共通の目標を再確認」することにとどまった。

 匿名を条件にAFPの取材に応じた韓国政府高官は、具体的措置の呼び掛けや、核兵器削減と軍縮にまでサミットの範囲を広げることに対し、一部の国々が不快感を示したと語った。(c)AFP