【3月5日 AFP】ベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領(57)は4日、国営テレビに出演し、がんが再発していたことを初めて公に認めた。キューバで前週受けた手術で摘出した病変組織を検査した結果、前年に診断されていたがんの再発だったことが分かったという。

 チャベス大統領によると、今回の手術で摘出した病変組織は長さ2センチほどで、前年に手術した「野球ボール大」(チャベス大統領)の腫瘍に比べれば、全く小さいものだという。同大統領は、今後は放射線治療を受けることになると語った。

 チャベス大統領は、「(病変組織の)拡大も、(がんの)転移も、リンパ節異常も全てなしだ。このことを神に感謝する。だからわれわれはこの(がんとの)闘いで楽観的でいられるのだ」と述べ、病変組織は完全に取り除かれ、周辺への転移も、がんの他部位への転移もなかったことへの安堵(あんど)感を示した。

 強硬な発言で知られ10月に大統領選挙を控えるチャベス大統領は、前年にがんと診断されて手術と抗がん剤治療を受けたあと、がんは完治したと宣言していた。

 事実上、中南米で最も有力な政治家であるチャベス大統領が、健康上の理由で、たとえ一時的だとしても表舞台から退かざるを得ないとすれば、ベネズエラだけでなく中南米全体に影響が及ぶ恐れもある。

 チャベス大統領は手術のために前月24日にキューバ入りして以来、手術後も首都ハバナ(Havana)に滞在したままで、帰国の日程は明らかにされていない。(c)AFP

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