【1月10日 AFP】コロンビア外務省は5日、米国本土からコロンビア首都ボゴタ(Bogota)の米国大使館に誤って身柄を移送された15歳の米少女を、米国側に引き渡すと発表した。

 この少女、ジャカドリエン・ラリーズ・ターナー(Jakadrien Larise Turner)さんは、米テキサス(Texas)州で窃盗容疑で逮捕された際、米国の判事とコロンビア当局者に21歳の不法移民であると名乗り、昨年5月にコロンビアに強制送還された。なお、ターナーさんはスペイン語をまったく話せなかったと見られる。

 コロンビア外務省によると、米在住の家族がターナーさんの捜索願を出したことから、ターナーさんの居場所を突き止めた。
 
 ターナーさんは、ボゴタからの不法移民で21歳のティカ・ラネー・コルテス(Tika Lanay Cortez)という人物になりすましていたが、裁判を担当した弁護士も、強制送還前に面会したコロンビアの外交官も、彼女が別人であると疑わなかったという。

■祖母がフェイスブックで発見

 ターナーさんの祖母、ロレン・ターナーさんは地元テレビ局WFAAに対し、ターナーさんが2010年、両親が離婚する際にダラス(Dallas)の家を出て行方不明になっていたと語った。

「旅券もなければ何もないのに、なぜ、十代の子を強制送還してコロンビアに移送したりするの?」とロレン・ターナーさんは語り、法執行機関が少女の身元確認をしっかり行わなかったことを暗に批判した。

 ロレン・ターナーさんは、長い時間をかけてSNSサイトを閲覧してまわり、ついにフェイスブック(Facebook)で孫娘がTika SoloToolongやTika Conferoという名前でコロンビアにいることを突き止めたという。

 WFAAテレビは、ターナーさんがコロンビアの拘束施設にいたとだけ伝え、詳細は報じなかった。

 なお、コロンビア当局は、テキサス州ヒューストン(Houston)のコロンビア領事館職員が少女に暫定旅券を発行した理由や、少女がボゴタで市民登録や就職に必要な文書を入手した経緯について調査中という。(c)AFP