【12月31日 AFP】イラン海軍は31日、ホルムズ海峡(Strait of Hormuz)で実施している演習の中で、各種ミサイルの試射を行うことを明らかにした。

 イラン海軍幹部は国営テレビのインタビューで、数日中に地対艦、艦対艦、地対空、携行型など各種ミサイルの試射を行うと語った。今回の海軍演習は24日から来月1日までの10日間の日程で行われている。これに先立ちイランのファルス(Fars)通信は、すでに沿岸と艦艇から長距離ミサイルの試射が実施されたと報じていた。

 イランは先に、同国の核開発計画を批判する欧米諸国が追加制裁を発動するならば、「原油1滴たりともホルムズ海峡を通過させない」と警告していた。ミサイルの試射によってイランがホルムズ海峡封鎖に踏み切る可能性を強調し、欧米をけん制する狙いがあるとみられる。

 世界の原油の20%はペルシャ湾の入り口にあるホルムズ海峡を航行するタンカーで運ばれている。米エネルギー省エネルギー情報局(Energy Information AdministrationEIA)は30日に発表した情報のなかで、ホルムズ海峡を世界で「最重要の要衝」だと表現した。

 ホルムズ海峡では1日あたり約14隻のタンカーが1700万バレルの原油を運んでいる。2011年に海上輸送された原油の35%がホルムズ海峡を通って運ばれた。(c)AFP