【12月19日 AFP】イラン国営テレビは18日、米中央情報局(CIA)工作員のイラン系米国人の男を当局がテヘラン(Tehran)で拘束したと報じ、若い男がスパイ活動を告白する映像を放映した。

 この報道によると、男は米アリゾナ(Arizona)州生まれのイラン系米国人、アミル・ミルザイ・ヘクマティ(Amir Mirzai Hekmati)容疑者で、2001年に米軍に入隊し10年間、秘密情報活動の訓練を受けたという。その後、アフガニスタンのバグラム(Bagram)駐留米空軍基地で米機密情報へのアクセス権を得、空路イランへ入国。テヘランでイラン情報筋への接触を試みたとされる。

 映像の中では、ひげをきれいにそった20代の男性が、流暢なペルシャ語と、わずかに米国アクセントがある英語で、「まず有益な情報を彼ら(イラン当局者)に流し、わたしに接触する価値があると情報当局に思わせる作戦だった」と話している。男性は緊張はしておらず、声も落ち着いている。原稿を読んでいる様子は伺えない。

 国営テレビによると、バグラム基地の状況を極秘に監視していたイラン情報当局が、基地内にいるヘクマティ容疑者を発見し、スパイということが分かったという。

 放映されたヘクマティ容疑者の身分証明証には、バグラム基地の施設を利用できる「米軍契約員」との身分が記されている。また、米軍服姿やアラブの民族衣装姿の同容疑者の写真も公開された。(c)AFP/Marc Burleigh