【12月12日 AFP】北朝鮮は11日、韓国が南北軍事境界線付近の鉄塔にクリスマスのイルミネーションを点灯すれば「不測の事態を招くだろう」と警告し、「心理戦」に対する報復を言明した。

 韓国国防部は先に、ソウル(Seoul)のキリスト教団体からの要請で、非武装地帯の愛妓峰(Aegibong)に立つ鉄塔をクリスマスツリーに見立ててイルミネーションを点灯する計画を発表している。

 これに対し北朝鮮は、公式ウェブサイト「わが民族同士(Uriminzokkiri)」でイルミネーションは北朝鮮に対する「卑劣な心理戦」だと非難。点灯された場合には「敵の好戦者たちは、自ら招いた予期せぬ事態への全責任を負うことになる」「これは、見過ごすことのできない問題だ」と警告した。

 標高155メートルの丘に立つ高さ30メートルの鉄塔は、北朝鮮との境界線から3キロの位置にあり、北朝鮮側からは射程距離内。韓国メディアによると、鉄塔に取り付けられた数千個の電飾が点灯すれば北朝鮮の主要都市の1つ、開城(Kaesong)からも見えるという。

 韓国は2004年、軍事境界線付近でのプロパガンダ活動を中止することで北朝鮮と合意し、それまで行っていたクリスマス・イルミネーションを取りやめていた。だが、韓国海軍の哨戒艦沈没事件などで北朝鮮との緊張が高まったことから、前年12月にはイルミネーションを実施している。(c)AFP