【12月9日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相は8日、下院選の結果をめぐる抗議デモについて、民衆を挑発してデモを行うよう仕向けたとして、米政府を非難した。

 4日の下院選をめぐっては、与党「統一ロシア(United Russia)」が票を操作したとの疑惑があり、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は今週、「選挙は自由でも公正でもなかった」と非難。旧ソ連時代のミハイル・ゴルバチョフ(Mikhail Gorbachev)元大統領も7日、選挙のやり直しを求めていた。

 プーチン首相は同日、国営テレビで放映された支持者との「集い」の中で、抗議デモに初めて言及。国際選挙監視団の報告書すら読んでいないのに選挙を批判したとしてクリントン長官を非難した。また、米政府がロシアの団体に選挙不正を見つけるための資金を提供したと主張。「(米政府は)国内の一部の人間のために雰囲気作りをし、信号を送った。彼らはその信号を聞き、米国務省の支援のもとで活動を始めた」と続けた。

 選挙に不正があったとして首都モスクワ(Moscow)とサンクトペテルブルク(Saint Petersburg)で3日間行われた抗議デモでは、約1600人の逮捕者が出た。デモ主催者らは、今週末もモスクワでデモを行うと宣言し、ドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領が平静を呼び掛ける事態となっている。

 プーチン首相の発言は、ミサイル配備問題で既に悪化している米露関係に、新たな緊張を強いるものとなった。(c)AFP/Stuart Williams

【関連記事】
ロシア下院選、ゴルバチョフ元大統領が「やり直し」求める