【12月5日 AFP】(一部更新)ロシア下院選(定数450)は4日、投開票が行われ、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相の与党「統一ロシア(United Russia)」がかろうじて過半数を確保したものの、大幅に議席を減らす見通しだ。来年3月の大統領選で返り咲きを狙うプーチン首相には大きな痛手となった。

 5日発表されたロシア中央選挙管理委員会の中間集計(開票率85%)によると、「統一ロシア」の得票率は50.16%で、地滑り的勝利を収めた2007年の前回選挙の64.3%(315議席)を大きく下回っている。当局による不正工作があったとの批判も広がっており、11年間に及ぶ「プーチン支配」への国民の幻滅が広がっているとみられる。

 野党の得票率は、「ロシア共産党(Communist Party)」が19.13%、「公正ロシア(A Just Russia)」が12.98%、極右民族主義「ロシア自由民主党(Liberal Democratic Party)」が11.8%となっている。

■民主主義を反映?妨害工作、デモで200人逮捕も

 プーチン首相は選挙結果について、国内情勢を反映したものだとして平静を装った。

 また、与党本部で記者会見したドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領は、「わが国の安定した発展が確保された」と発言。ロシアの「民主主義が実現されていること」を示した結果だとして、有権者の真の傾向の反映を歓迎するとともに、当局の不正工作を否定した。

 野党側や、西側が資金援助するモスクワ(Moscow)の選挙監視団体「ゴロス(Golos)」は、当局が反論を抑え込むためにウェブサイトの閉鎖や監視員の妨害を行ったと主張し、前代未聞の選挙違反によって投票が損なわれたと批判している。

 一方、警察当局はモスクワで未認可デモを開催したとして、急進的野党「The Other Russia(もうひとつのロシア)」のエドゥアルド・リモノフ(Eduard Limonov)党首を含むデモ参加者200人を拘束。サンクトペテルブルク(Saint Petersburg)で開催された同様のデモでも70人を拘束したと発表した。(c)AFP/Anna Smolchenko