【11月29日 AFP】アフリカ中部のコンゴ民主共和国(旧ザイール)で28日に行われた大統領選と国民議会選挙の投票は、各地で襲撃や混乱が相次ぐ不穏なものとなった。 

 コンゴ議会では1月の憲法改正で、これまでの2回投票制の選挙を廃止し、1回制の比較多数得票方式を採用した。今回の選挙では野党側が分裂し、10人の候補者が乱立する事態となったため、2001年以降、大統領の座にあるジョゼフ・カビラ(Joseph Kabila)氏の再選が有力とみられる。

 大統領選の暫定結果は12月6日、議会選の結果は2012年1月13日に判明する見通し。

 情勢不穏なカタンガ(Katanga)州の州都ルブンバシ(Lubumbashi)では、選挙をめぐる緊張が高まり、分離独立派の武装勢力によるものとみられる暴力行為が相次ぎ、銃撃を受けた投票所もあった。

 この投票所の作業員によると、投票所に入ってきた複数の男らが「お前たちを解放してやる!」と叫んで警察官2人を至近距離から射殺。流れ弾にあたった女性1人も死亡した。

 このほかにもルブンバシでは夜明け前に、選挙用の備品を積んだ車列が7~8人からなる武装集団に襲われた。軍および警察がこの武装集団を追跡し、男らを殺害したという。

 カタンガ州のモイーズ・カトゥンビ(Moise Katundi)知事によると、州内の状況は現在は落ち着いているという。

 一方、国連(UN)筋によると、野党の有力指導者、エティエンヌ・チセケディ(Etienne Tshisekedi)氏が拠点とする西カサイ(West Kasai)州カナンガ(Kananga)では、投票の遅れや不正疑惑に怒った市民らが、投票所に放火したり投票用紙を積んだトラックを襲うなどの行為に及んでいるという。(c)AFP/Joshua Howat Berger