【11月23日 AFP】黄海(Yellow Sea)にある韓国・延坪島(Yeonpyeong-do)を北朝鮮が砲撃してから1年となる23日、韓国では各地で民間人2人を含む4人の犠牲者の追悼式が行われた。

 韓国中部・大田(Daejeon)市にある国立墓地では、亡くなった韓国海兵隊員2人の追悼式が行われ、数百人が出席した。延坪島に建てられた2人のレリーフ像の近くでも、式典が行われた。

 延坪島に対する砲撃は、朝鮮戦争後初めて韓国の民間人が住む地域を北朝鮮側が攻撃した事件で、北朝鮮側が発射した砲弾やロケット弾は170発に上った。海兵隊員2人と民間人2人の計4人が死亡し、延坪島の家屋や建物などにも多くの被害が出た。

 一方、韓国軍は23日午後、黄海上の北朝鮮との境界線付近で、「前線」の各島に新たな攻撃が加えられた場合を想定した陸・海・空の合同演習を行った。延坪島に駐屯する海兵隊の砲兵部隊のほか、空対地ミサイルを装備したジェット戦闘機や、4500トン級駆逐艦などが参加した。

 延坪島砲撃事件で対応が遅く弱腰だと厳しい批判にさらされた韓国軍は、今回の演習について新たな攻撃を受けた際の報復攻撃の有効性を試すものだと説明した。韓国軍は、北朝鮮側から再び攻撃された場合には、砲撃と航空戦力によって激しく報復すると宣言している。

 韓国は前年、延坪島など北朝鮮との境界に近い島々の兵力と軍備を強化し、多連装ロケット弾発射機や攻撃ヘリコプター「コブラ」(Cobra)も配備している。

 この日、首都ソウル(Seoul)では大勢の脱北者たちが、自分たちの母国だった北朝鮮の政権に対する抗議行動を行い、金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記を「悪魔のようだ」と呼ぶ場面もあった。(c)AFP/Jung Ha-Won