【11月21日 AFP】映画「スター・ウォーズ(Star Wars)」シリーズの悪役「ダース・ベイダー(Darth Vader)」が突如、市庁舎に現れ、宇宙船を停泊させておくための土地を市当局に要求した。こんな「事件」がこのほど、ウクライナ南部オデッサ(Odessa)であった。

 動画サイトのユーチューブ(YouTube)に投稿された動画には、ダースベイダーのコスプレをした男性が長い黒マントを翻し、プラスチック製の「ライトセーバー」を手に、白い柱が並んだオデッサ市庁舎に向かって進んでゆく様子が映っている。「私はダース・ベイダーだ」と、ボイスチェンジャーで変えた声色で守衛に告げた男性は、次のように主張している。「オデッサ市の土地を分割していると聞いた。大勢の議員や市当局者、そして市長までもがダークサイド(暗黒面)に墜ちたそうではないか。私も、わが宇宙船のための土地をいただこうか」

 地元ウェブサイト「Dumskaya.net」によると同市では、人気の高い黒海沿岸の土地を市当局がたった5人に、しかも無償で譲渡したことに対して批判が高まっていた。市長は譲渡の判断が間違っていたと認めたものの、決定の撤回は拒否している。

 こうしたなか登場したダース・ベイダーは、正式な申請書を市当局者に手渡そうとした。だが、市当局者は不機嫌な表情を浮かべ、男性がダース・ベイダーのマスクを脱ぐまで申請書を受け取らなかった。マスクの下の素顔は、若者だった。 「オデッサの丘を宇宙船の停泊地としていただけるのか、30日以内に回答をもらう。市長や議員の多くがダークサイドに墜ちているのだから、事は順調に進むだろう」と、ダース・ベイダーは語った。

 18日、AFPの取材に応じたオデッサ市庁舎の広報担当者は、「私たちは暗黒面に墜ちてなどいない。ここには(ヒロインの)レイア姫しかいないわ」と述べた。(c)AFP