【11月17日 AFP】オーストラリア訪問中のバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領とジュリア・ギラード(Julia Gillard)豪首相は16日、オーストラリア北部に新たに米海兵隊を駐留させ、将来的には2500人規模まで増強する方針を発表した。

 中国の台頭に特徴付けられる安全保障の新時代を前に、60年に及ぶ両国の軍事同盟を拡大する動き。2012年半ばに豪州北部特別地域(北部準州、Northern Territory)のダーウィン(Darwin)に米海兵隊250人規模を派遣する。派遣は6か月ごとのローテーションで行われ、最終的には2500人程度まで増やす。アフガニスタン情勢をめぐっても連携している米豪両軍は今後、定期的にオーストラリア軍の基地で同軍と共に演習などを行っていく。

 両首脳はさらに、空軍の協力強化でも合意。アジアにより近い豪北部での米空軍機の展開が増えることになる。

 アジア太平洋諸国歴訪の一環として16日に豪首都キャンベラ(Canberra)に到着したオバマ大統領は、今回の訪問と両軍の連携はどちらも域内の同盟国に向けた明確なメッセージだと述べ、「(米豪)両国は太平洋に面する2国だ。この地域にわたしが訪問することによって、米国はアジア太平洋地域全体への関与を強化しているという点をはっきり示したい」と語った。

 また、急成長を続ける同地域の経済的重要性についても触れ、「この地域の戦略的重要性はわが国にとって非常に大きい。現在、わが国内では予算に関する多くの重要な決定が行われているところだが、この(アジア太平洋)地域はわたしの最優先事項だ」と述べた。

 この発表を受け、中国外務省の劉為民(Liu Weimin)報道官は、「軍事同盟を強化・拡大することが時宜にかなったものか、地域の国々の利益になるのか、議論の余地がある」と述べ、強い反発を示した。(c)AFP/Stephen Collinson