【11月11日 AFP】被爆地・広島が中心となって世界規模の核軍縮と紛争解決を目指す「国際平和拠点ひろしま構想(Hiroshima for Global Peace Plan)」への支持を広げるため渡米し、国連(UN)などを訪問中の湯崎英彦(Hidehiko Yuzaki)広島県知事が10日、首都ワシントンD.C.でAFPのインタビューに応じた。

「広島は悲劇の場所として知られてきたが、希望の地でもある」と語った湯崎知事。「たくさんの人たち、特に紛争地の人たちに来ていただき、現在の広島の美しさと繁栄を見てもらい…、自分たちにも同じことができると感じてもらいたい」と構想について説明した。

 1945年に広島に落とされた世界初の原爆では、即死の他、やけどや放射能症によって後日亡くなった人も合わせ、推計約14万人が死亡した。

 前月まとめられた「国際平和拠点ひろしま構想」は、世界で核軍縮を推進し、紛争地域での平和構築の努力を強化することをうたっている。湯崎知事は今週、ニューヨーク(New York)の国連本部で潘基文 (パン・キムン、Ban Ki-moon)国連事務総長と会談した他、米議員や政府高官、NGOなどを訪ね、構想への支持を訴えた。

 湯崎知事によると、潘事務総長からは「全面的な支持」が得られたという。米国については、「政治的支持にせよ、もっと具体的な援助にせよ、何らかの支援が得られると思う。政策の観点から、われわれに相互矛盾はない」と述べた。
 
 またバラク・オバマ(Barack Obama)政権に対して、「広島についての謝罪を求めてはいないが、大事なことは前向きなメッセージを持つことだ。広島は復興の地だ」と話した。

 湯崎知事はさらに、核抑止ドクトリンは機能しないということを世界の国々が認識するようになってほしいと訴え、「テロリズムを封じるためには、強固な政府を築くこと、民主主義と平和的統治を築くことが必要だ」と指摘。アフガニスタンのような紛争国の支援に広島の構想が役立つことを願っていると語った。(c)AFP