【9月23日 AFP】中国がノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)に対抗して設立した「孔子平和賞(Confucius Peace Prize)」の今年の受賞候補が17日、発表された。候補には、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相、ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相、南アフリカのジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)大統領らが選出されている。

 孔子平和賞は昨年、実刑判決を受けて服役中の中国の民主活動家、劉暁波(Liu Xiaobo)氏がノーベル平和賞を受賞する2日前に突如、正体不明の団体によって設立された賞。昨年の孔子平和賞は、台湾・国民党の連戦(Lien Chan)前主席が受賞した。

 中国政府は劉氏へのノーベル平和賞授与に強く抗議していたが、多くが大学教授たちからなる孔子平和賞の選考委員らは当時、中国政府との関係やノーベル賞への対抗意識などを否定していた。

 しかし、今年の候補者発表に際し、孔子平和賞の劉浩峰(Liu Haofeng)実行委員長は17日、同賞は中国文化省の管轄下にある協会が設立したもので、20人の選考委員は芸術、文化、政治分野などの専門家たちだとAFPに説明した。

 2011年の候補者には、チベット仏教第2の高位者パンチェン・ラマ(Panchen Lama)11世も含まれている。パンチェン・ラマは、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)に次ぐ高位者だが、現在のパンチェン・ラマは中国政府が選んだ人物で、ダライ・ラマが認定した少年ではない。

 劉執行主席は、パンチェン・ラマが選出された理由を「中国内の調和を促進する」役割を担っていると説明した。

 メルケル独首相については「欧州の地域平和への貢献」を評価したと話し、同首相には「東洋の価値観にも着目してほしい」と注文した。

 このほか、ハイブリッドライスを発明した袁隆平(Yuan Longping)教授、マイクロソフト(Microsoft)創業者のビル・ゲイツ(Bill Gates)氏、コフィ・アナン(Kofi Annan)前国連(UN)事務総長らも有力候補とみられている。

「孔子平和賞」の受賞者は、ノーベル平和賞授賞式の前日となる12月9日に発表される。受賞者には賞金10万元(約120万円)が授与される。(c)AFP