【9月17日 AFP】サラ・ペイリン(Sarah Palin)前アラスカ(Alaska)州知事の夫トッド・ペイリン(Todd Palin)氏は15日、ペイリン前知事がコカインに手を出したことがあり、結婚前にバスケットボールのスター選手と情事を持っていたなどとする暴露本を書いたジャーナリストを強く非難した。

 暴露本「The Rogue: Searching for the Real Sarah Palin(ならず者:サラ・ペイリンの真の姿を探して)」に書かれた疑惑は、婚前交渉の自制などといった価値観を擁護するペイリン前知事の人物像と衝突する内容だ。保守派の草の根運動「ティーパーティー(Tea Party、茶会)」のお気に入りの前知事は、まさに今、米大統領選の共和党候補者指名争いに出馬するかどうか検討している。

 20日に発売される「The Rogue」を執筆したのはベテランジャーナリストのジョー・マクギニス(Joe McGinniss)氏。取材のためとして前年、ペイリン氏夫妻の自宅のすぐ隣に引っ越してきたことは話題になった。

 トッド・ペイリン氏は「この男は、われわれ一家を執拗(しつよう)に追いかけ回し、ついに隣に引っ越してきて、妻への気味の悪い妄想を満たすために、私たちに嫌がらせとスパイをしている人物だ」と述べ、「彼の本は、気分の悪くなるような嘘、当てこすり、中傷でいっぱいだ」と付け加えた。トッド・ペイリン氏の声明は、複数の米報道メディアや政治ブログで紹介された。

■夫婦でコカイン?

 米NBCテレビの番組「トゥデイ(Today)」は、マクギニス氏へのインタビューを放映。マクギニス氏は、ペイリン氏がトッド氏と駆け落ちする直前の1987年、バスケットボール選手のグレン・ライス(Glen Rice)氏と「性的経験」を持ったことを、サラ・ペイリン氏の友人たちが語っていると述べた。

 ペイリン氏は当時、大学を卒業したばかりの地元テレビ局のレポーターだった。一方、米プロバスケットボール協会(NBA)の大スター選手となったライス氏は、当時所属していたミシガン大学(University of Michigan)のチームとともにトーナメントのためにアラスカ(Alaska)州を訪れていたという。

 さらに、ペイリン氏の友人たちは、ペイリン氏夫妻と一緒にコカインを鼻から吸ったことをマクギニス氏に詳しく説明したという。マクギニス氏は「トッドとサラ・ペイリンが今コカイン中毒だとかコカイン使用者だとは言っていない。だが過去の一時期に使用者だったことは疑いようがない」と語った。

 ペイリン氏は2008年の米大統領選に、共和党のジョン・マケイン(John McCain)候補の副大統領候補として出馬したが、2012年大統領選への出馬についてはあいまいな態度をとっている。最新の世論調査でペイリン氏は、リック・ぺリー(Rick Perry)テキサス(Texas)州知事に大きく引き離され、3~4番手につけている。(c)AFP/Robert MacPherson

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