【9月15日 AFP】イタリアのフランコ・フラティニ(Franco Frattini)外相は14日、欧州全体の強化につながるのであれば、イタリアは主権の一部移譲もいとわないと述べた。欧州債務危機が広がる中、イタリア政府は同国にのしかかる市場の圧力をかわそうと躍起になっている。

 フラティニ外相はドイツの日刊紙、南ドイツ新聞(Sueddeutsche Zeitung)のインタビューに答え「われわれは真の欧州経済の政府を作るために、真剣に取り組まなければならない」と語った。欧州委員会(European Commission)の委員を務めたこともある同外相は、さらに「もはや円卓に座って、政府間交渉で欧州を統治するやり方では十分でない。国によって連邦主義的欧州に関する考えはそれぞれ違う。しかし、イタリアは真の欧州中央政府のために、あらゆる主権を移譲する用意がある」と述べた。

 また、フラティニ外相は欧州中央銀行(ECB)を取り上げ、「例えばECBの役割は、緊急時には介入もできる政治的に独立した機関として強化されるべきだ」とも述べた。

 インタビューの前日、イタリア国債の金利はさらに急上昇した。アイルランド、ポルトガル、ギリシャとユーロ圏諸国で債務危機が相次ぐ中、ユーロ圏ドミノが次に波及するのはイタリアだという懸念が広がっているためだ。

 そうした中、フラティニ外相は「イタリアはわが国の伝統を、そして文化や憲法を重んじている。わが国はこれからもひとつの独立した立憲主義国であり続ける。しかし、国際的な問題が持ち上がった時には、われわれはグローバルに行動する必要がある」と語り、欧州が団結して今回の大きな危機を解決することを訴えた。(c)AFP