【9月11日 AFP】鉢呂吉雄(Yoshio Hachiro)経済産業相(63)が10日、福島県の避難民に対する配慮の欠けたとされる発言で辞任した。

 鉢呂経産相は、事故を起こした東京電力(TEPCO)福島第1原発周辺を「死の町」と呼んで被災者らの怒りを買った。また、福島原発視察後に記者に上着をすりつけて「放射能をうつす」という趣旨の発言をしたとも報道されていたが、10日の会見ではこの報道を否定した。だが、実際にどのようなやりとりがあったかについては詳細を語ることを拒否し、記者団との非公式の懇談の中での出来事だったと述べた。

 鉢呂氏の失言は、発足したばかりの野田佳彦(Yoshihiko Noda)内閣に打撃を与えた。鉢呂氏は10日の会見で、繰り返し謝罪し、野田首相に辞表を受理されたと語った。

 2万人近い死者・行方不明者を出し、福島原発事故を引き起こした東日本大震災は11日、発生からちょうど6か月を迎える。鉢呂氏の「死の町」発言や放射能についてのジョークとみられる行動は配慮に欠ける言動と受け止められ、野党は野田首相に鉢呂氏の罷免を要求していた。(c)AFP/Harumi Ozawa