【7月29日 AFP】ドイツ経済協力開発省でドイツ首相の個人代表(アフリカ担当)を務めるギュンター・ヌーク(Guenter Nooke)氏は28日、「アフリカの角(Horn of Africa)」と呼ばれるアフリカ大陸北東部で中国が農地を買っていることが、この地域を襲った大干ばつの被害を拡大させた一因だと述べた。

 ヌーク氏は地元紙フランクフルター・ルントシャウ(Frankfurter Rundschau)に、「エチオピアを例に挙げれば、外国企業や中国などの国家が工業的農業のために大規模な土地買収を行っている。一握りの(アフリカの)エリート層にとっては非常に魅力的な取引だ」と現状を説明したうえで、「だが、こうした土地を政府が自国の農業システムの構築に利用すれば、より多くの国民にとって有益なはずだ」と強調した。

 さらにヌーク氏は、中国のアフリカ投資は輸出目的の農業に集中しており、これによって土地や家畜を失う小作農家が増えれば、大きな社会的混乱につながるおそれもあると指摘した。

 その一方で、ヌーク氏は「中国がアフリカで行っている投資の全てが悪いというわけではない」と述べ、効率的な農業経営方法を示すことで、中国の投資もアフリカの利益になると説明した。

 また、アフリカの農業に輸出機会を与えるため、ドイツは欧州各国の農業補助金の段階的廃止を支持すると表明したが、根強い抵抗があることも認めた。(c)AFP