【7月18日 AFP】アフガニスタンに駐留する国際治安支援部隊(ISAF)のデービッド・ペトレアス(David Petraeus)司令官が18日退任した。アフガニスタン駐留米軍のトップだったペトレアス氏は同世代の米軍人の出世頭で、米国にとって最長といわれる戦争の指揮官として波乱の日々を送った。

 アフガニスタンの首都カブール(Kabul)で行われた退任式典で、ペトレアス氏は元部下のジョン・アレン(John Allen)海兵大将に司令官職を引き継いだ。ペトレアス氏は米中央情報局(CIA)長官に就任する。アレン氏は、イラクでの国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の勢いを弱めるために不可欠とされた、イラクの部族勢力を米軍の味方に付ける戦術で名を上げた。

 アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)の10年近くに及ぶ反乱を押さえ込むため、米軍はペトレアス司令官の指揮下で数万人規模の増派を実施した。ペトレアス氏は一定の成果を出したと主張しているが、アフガニスタンの極めて暴力的な状況は依然として続いている。

 米政府は、最近になって駐留部隊の撤退を開始した。この計画には異論も多く、一時的な優勢を確かなものにするには撤退が早すぎるとの批判が出ている。ペトレアス氏も「私は勧めなかった」と述べていた。

 国連が前週発表した報告書によれば、米軍の増派にもかかわらず、2011年上半期の民間人死者数は1462人に上っており、2011年は過去10年で最悪の死者数となる勢いになっている。(c)AFP/Claire Truscott