【7月7日 AFP】1日の中国共産党創立90周年記念式典に欠席した江沢民(Jiang Zemin)前国家主席(前総書記)(84)について、重病説がささやかれるなか、同国のネット警察がネット上の会話の検閲を始めたもようだ。

 李鵬(Li Peng)元首相や朱鎔基(Zhu Rongji)前首相など、引退した党の重鎮たちも列席した記念式典に江氏の姿がないなか、香港メディアが「江氏は病気」だと報じたことで、ネット上にはさまざまな憶測が飛び交うようになった。

 中国版ツイッター「微博(Weibo)」上では6日、「江沢民」「心筋梗塞」「総書記」などの言葉が検閲された。中国政府が江氏の健康状態に関する情報の漏えいを防ぐ手立てに出たとの憶測を呼んでいる。

 ある書き込みは、中国当局が江氏の健康状態に関する報道を禁止する命令を発令したと述べている。

 香港および海外の中国系プレスは、江氏が心臓発作で倒れ、現在は人工呼吸器でかろうじて生き長らえていると報じている。中国外務省は6日、江氏の健康状態について、コメントを避けた。

 中国政府は、国家元首の健康悪化が党の団結や政治的安定を損なうとの懸念から、国家元首の健康状態を国家機密扱いにしてきた伝統がある。江氏は来年に予定されている国家主席の交代にも多大な影響力を発揮したと見られており、2009年10月の建国60周年記念式典以来、公の場に姿を見せていない。(c)AFP