【5月28日 AFP】フランスのドービル(Deauville)で開かれた主要8か国首脳会議(G8サミット)で、未成年者買春などで起訴されているイタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)首相(74)が、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領に自らの訴訟問題について不平を漏らす場面があった。イタリア各紙が報じた。

 ベルルスコーニ首相は、26日のG8会合が始まる前に、オバマ大統領に近寄り、いすに腕を回して、「(イタリア司法は)左翼判事の独裁だ」と不平を漏らしたという。このときのオバマ大統領は、明らかに居心地が悪そうな様子だ。

 映像でくちびるの動きを分析したところ、ベルルスコーニ氏は、「わたしは31回も裁判にかけられてるが、すべて無罪だ」と、オバマ大統領に語りかけていたという。

 ベルルスコーニ氏はこれまでにも幾度となく起訴されおり、現在も3件の訴訟を抱えている。有罪判決を受けたこともあるが、多くの裁判が時効や、控訴審での無罪判決を勝ち取っている。

 イタリアのコメンテーターたちは、国際舞台でのベルルスコーニ氏の行動を冷笑的に報じた。

 イタリアの最大野党・民主党(PD)のピエルルイジ・ベルサニ(Pierluigi Bersani)党首は、「(自らの裁判問題について)ベルルスコーニ氏はオバマ大統領にNATO(北大西洋条約機構)の介入を要求するつもりなのかもしれんね」と皮肉を述べた。

 また、イタリア左派系紙レプブリカ(La Repubblica)は、「国際舞台で自国をおとしめる首相がここにいる」とコメントを掲載した。(c)AFP