【5月23日 AFP】北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記が20日から中国を密かに訪問している。中国の経済発展を理解し、貧窮し孤立した北朝鮮の発展に生かすためだという。日本を訪れた中国の温家宝(Wen Jiabao)首相が22日、韓国の李明博(イ・ミョンバク、Lee Myung-Bak)大統領との会談で語ったと、韓国政府高官が述べた。

 中国共産党は23日、AFPの取材に、金総書記が現在も中国に滞在中であることは認めたが、滞在先など詳しい情報については明らかにせず、「適切な時期に発表する」とだけ述べた。

■揚州で江沢民氏と会談か

 韓国の聯合(Yonhap)ニュースによると、金総書記は中国北東部の2か所を訪問した後、22日に中国東部・揚州(Yangzhou)に専用列車で到着。23日も揚州に滞在している。江沢民(Jiang Zemin)前国家主席を訪問するために同市を訪れた可能性があるという。23日朝には中国政府のゲストハウスから金総書記のものとみられる車列が出発したが、行き先はわかっていない。

 また、ツイッター(Twitter)のような中国版のマイクロブログサービスでは、揚州のユーザーたちから、主要道路が封鎖されたとの報告が相次いだ。

 韓国紙・中央日報(JoongAng Ilbo)は、金総書記は22日に江沢民氏と会談したと報じた。さらに上海(Shanghai)を訪れ、その後北京(Beijing)で胡錦濤(Hu Jintao)国家主席と会談する可能性があると報じている。(c)AFP