【5月12日 AFP】(一部更新)米上院軍事委員会のカール・レビン(Carl Levin)委員長(民主)ら超党派の米有力議員3人が11日、東アジア地域における米軍再編計画の見直しを求める声明を発表し、沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)を名護市辺野古に移設する現行計画を断念し、米軍嘉手納基地への統合を検討するよう米国防総省に提言した。

 米上院軍事委員会のレビン委員長(民主)、ジョン・マケイン(John McCain)共和党筆頭理事、ジム・ウェッブ(Jim Webb)委員(民主)の3人は、米軍再編計画の現行案について「非現実的で実行不可能である上、費用もまかないきれない」との見解を表明し、普天間飛行場の機能を日本の他地域やグアムの米軍基地にも分散しつつ、嘉手納基地に統合する案を両政府は検討すべきだと述べた。

 また、日本は現在、基地移転をめぐる政治的窮地に立ち入るよりも、東日本大震災からの復興に集中する必要があるとも指摘した。米上院軍事委員会は米国の軍事政策に大きな影響力を持つ。

 米オバマ政権は、住宅密集地にある普天間飛行場を名護市辺野古に移転するという2006年の日米合意に沿って、日本政府に圧力をかけてきた。しかし、米上院軍事委員会の重鎮らによる今回の提言は、その方向性に大きな影響を与えそうだ。

 レビン委員長は、06年合意で示された移転の計画期間は「まったく非現実的」だと批判し、さらに「沖縄とグアムの政治情勢に加えて、2011年3月の巨大地震と津波で日本がこうむった莫大な経済的負担も考慮されねばならない」と述べた。

 米国防総省では、結果的には沖縄に駐留する米軍兵士が減るとして、06年に合意に沿った現行案を堅持すると発表している。(c)AFP/Shaun Tandon