【5月11日 AFP】サモア政府は10日、主要な貿易相手国であるオーストラリアやニュージーランドの時刻に近づけるよう、12月29日に時間帯を国際日付変更線の西側に移動させると発表した。

 サモアは現在、太平洋の真ん中を走る日付変更線の東側に位置している。グリニッジ標準時からは11時間遅れており、地球上で最も遅く日没を迎える国の1つだ。西側に移動すると、地球上で最も日の出が早い国の1つとなり、現在21~23時間の開きがあるオーストラリアやニュージーランドの時間帯にも近くなる。

 ツイラエパ・サイレレ・マリエレガオイ(Tuilaepa Sailele Malielegaoi)首相は、サモアは最大の貿易相手国でサモア人の移民や出稼ぎが多いいわゆるオーストラレーシア(オーストラリア、ニュージーランド、周辺の島々の総称)との商取引では、週2営業日を無駄にしていると指摘。この「改革」がこれらの国々との貿易を円滑にするだろうと述べた。

 サモアが時間帯を日付変更線の東側にする決定をしたのは約120年前のことで、当時欧米諸国との貿易が盛んだった事情を反映していた。

 なお、日付変更線を変更した直近の例はキリバスで、1995年のことだった。サモア同様、日付変更線の東側から西側へ変更している。(c)AFP/Neil Sands

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