【5月4日 AFP】パレスチナ解放機構(Palestine Liberation Organisation PLO)の主流派でヨルダン川西岸を統治するファタハ(Fatah)と、ガザ(Gaza)地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)などパレスチナ自治区の13の勢力は3日、エジプトのカイロ(Cairo)で和解案に調印した。

 暫定的な統一政府を樹立し、その後1年以内に自治政府の議長と評議会(議会)選を実施することを目指す。ファタハとハマスが和解案に合意したことは前週発表されていた。

 各勢力はエジプト政府の当局者と協議した後で和解案に調印した。PLO政治局のビラル・カッセム(Bilal Qassem)氏によると各勢力には和解案について議論し、留保する事項を表明する機会を与えられたという。

 パレスチナ人民党(Palestine People's PartyPPP)政治局のワリード・アワド(Walid al-Awad)氏はエジプトの国営テレビに、各勢力は全ての留保事項について議論し、これらの点を考慮することで合意したと語った。

 ファタハ代表団のトップによると、カイロで4日にPLOのマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長、ハマスの政治部門の最高指導者ハレド・メシャール(Khaled Meshaal)氏らの他、エジプトの外相、アラブ連盟の事務局長らも参加して式典を行った後、各勢力は暫定政府の樹立に向けた作業を行うという。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は、和解案は中東和平プロセスに打撃を与えるものだとして厳しく批判した。3日午後にカイロ入りしたアッバス議長はエジプト国営紙アルアハラム(Al-Ahram)に、敵は多く、複数の勢力が合意を壊そうとしているので和解案が成功する保証はないが、成功させようという意思とその方法はあると述べるとともに、各派はテクノクラート(技術官僚)による暫定政府を樹立し、ハマスにイスラエルを承認するよう求めることはないと語った。(c)AFP/Nasser Abu Bakr