【4月6日 AFP】中国を代表する現代芸術家で、北京五輪のメインスタジアムの設計にも携わったアイ・ウェイウェイ(艾未未、Ai Weiwei)氏が中国当局に身柄を拘束されたことについて、国営英字紙・環球時報(Global Times)は6日、「一線を越えた同氏に対する、欧米の釈放要求は不当」との記事を掲載した。

  アイ氏は3日に、北京(Beijing)の空港で香港(Hong Kong)行きの航空機に搭乗しようとしていたところを当局に身柄を拘束されて以来、所在がわかっていない。

 この件について中国共産党に近く強硬な論調で知られる環球時報は、「アイ氏は多くの機会において、中国国内法の犯してはならない一線に抵触しかけていた。そのことはアイ氏も分かっていたはずだが、その感覚を楽しんでいたのだろう」と論じるとともに、詳しい説明はせずにアイ氏の活動は「法的に不明瞭」だったと書いた。

 また、欧米がアイ氏の釈放を求めていることについて、「中国司法制度の複雑さを無視して、中国を攻撃している」と非難した。 

 一方、アイ氏の弁護士、劉暁原(Liu Xiaoyuan)氏は6日、依然としてアイ氏に関する情報はなく、アイ氏の妻の路青(Lu Qing)さんの携帯電話も電源が切れたままだと明らかにした。中国政府や警察当局は、アイ氏の件に関するコメントを一切、拒否している。(c)AFP

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