【3月11日 AFP】宝石に骨董品、スターの卵への融資―イタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)首相(74)が2010年の1年間に使った額は3400万ユーロ(約39億円)に上った。これは、少女買春の罪で起訴されたベルルスコーニ首相に対する捜査の一環で明らかになった、首相口座の出入金の詳細だ。伊紙コリエレ・デラ・セラ(Corriere della Sera)が9日、掲載した。

 散財三昧の内訳の一端をみると、1年間でネクタイに12万ユーロ(約1360万円)、宝石に6万5000ユーロ(735万円)を使ったほか、イタリア北部に借りている城の賃貸料が67万5000ユーロ(約7650万円)、租税回避地であるカリブ海の島国アンティグア・バーブーダに所有する別荘のガス・電気代が90万ユーロ(1億200万円)、骨董品店と画廊への支払いが65万ユーロ(約7400万円)など。

 さらに、首相の疑惑の相手とされるポールダンサー、「ハート泥棒のルビー(Ruby the Heart Stealer)」ことカリマ・エル・マフルーグ(Karima El Mahroug)さんに対する事情聴取が進んだことで、ショーガールの卵たちに首相がたくさんの贈り物をしていた事実も明らかになった。コリエレ紙によると、首相は若い女性14人に計56万2000ユーロ(約6400万円)を与えていたほか、秘書の1人に結婚祝いとして4万ユーロ(約450万円)を贈っていた。

 また、10代のモデル、ノエミ・レティツィア(Noemi Letizia)さんの母親も首相から2万ユーロ(約230万円)を受け取っていた。レティツィアさんは、ベルルスコーニ首相と関係を持ったという噂で、首相と前夫人のベロニカ・ラリオ(Veronica Lario)さんが離婚するきっかけとなった女性だ。だが、レティツィアさんは首相との関係を否定し、首相を「パピ(Papi)」(「お父さん」の意)と呼んでいたと述べている。

 首相の口座の詳細が公開されたことについて、ベルルスコーニ氏の弁護士、ニッコロ・ゲディーニ(Niccolo Ghedini)氏は、「明らかなプライバシーの侵害」と非難すると同時に、弁護料として44万1000ユーロ(約5000万円)を受け取ったという報道も否定した。(c)AFP