【3月7日 AFP】韓国と米国の合同軍事演習をめぐり南北朝鮮関係が緊張がする中、韓国の聯合ニュース(Yonhap News)は6日、北朝鮮が前週、韓国の軍事通信を遮断する目的で妨害電波を発信していたと報じた。

 聯合ニュースによると、4日に北朝鮮から韓国に向けて発信された強力な妨害電波により、ソウル(Seoul)に近い軍の部隊内で、衛星利用測位システム(GPS)を利用する携帯電話やナビゲーション機器に一部障害が発生した。

 妨害電波の発信源は、韓国の情報当局者や軍関係者によれば軍事境界線に近い北朝鮮の海州(Haeju)と開城(Kaesong)の軍事施設とみられる。

 聯合ニュースによると、ある韓国情報当局高官は「信号は5~10分おきに断続的に発信された。北朝鮮が、外国から調達した新型のGPS妨害機器を試していたとみている」と語った。また、別の高官は、「われわれは、こういった妨害信号を克服して制御するシステムを準備している」と述べたという。韓国国防省報道官はコメントを拒否した。

 前年8月の米韓合同軍事演習の時にも、韓国西岸の軍艦艇や民間航空機のGPS受信機が断続的に不調になったことがあった。金泰栄(キム・テヨン、Kim Tae-Young)前国防相は当時、北朝鮮はロシア製の機器を改良し、最大100キロ周囲のGPSを妨害することが可能な独自の妨害装置を開発したとの見解を示し、韓国にとって「新たな安全保障上の脅威だ」と述べていた。

 北朝鮮のGPS妨害装置は、米軍や韓国軍の誘導弾や誘導ミサイルの標的命中を阻止することが可能とみられている。(c)AFP