【3月7日 AFP】中東や北アフリカでの民衆蜂起に感化され、中国でもインターネット上で抗議行動が呼びかけられていることについて、中国各紙は6日、相次いでこうした動きを批判する記事を掲載した。
 
 中国では、毎週、日曜ごとに抗議集会を開こうとの匿名の呼びかけがインターネット上で行われており、チュニジアの政変「ジャスミン革命」に倣って「ジャスミン集会」と呼ばれている。

 だが、前日の国営紙が同運動の批判記事を掲載したことをきっかけに、他紙も相次いで批判記事を掲載した。

 北京青年報(Beijing Youth Daily)は1面で、「第一に、中国内外の人々が、さまざまな手段で『路上政治』の扇動をたくらんでいることを認識する必要がある」と「ジャスミン集会」を呼びかけている運動家らを批判。「インターネットで、でっちあげや偽の情報を流布し、違法集会を扇動し、中東や北アフリカで起きている混乱を中国にも持ち込んで中国のかく乱を目論んでいる」と糾弾した。

 上海(Shanghai)共産党の機関紙、解放日報(Jiefang Daily)も社説で、「社会の調和と安定維持」を市民に呼びかけた。

■外国人記者15人の身柄を拘束

 国内に拡大する貧富の差や汚職などの問題を抱える中国政府は、市民による抗議行動の高まりにつながりかねないインターネットでの集会呼びかけに、神経をとがらせている。
 
 前週末は、北京(Beijing)や上海の集合場所に厳重な警戒態勢が敷かれたため、目立った抗議行動は見られなかった。6日にも集会の呼びかけがあったが、北京や上海では今回も目立った行動は見られなかった。

 集合場所の1つに指定された上海市内の映画館は同日、休館となった。また、周囲には私服警察官らが目を光らせ、取材に現れた外国人記者ら15人ほどが身柄を拘束されたという。拘束期間は不明。

 一方、人権活動家らによると、「ジャスミン集会」の呼びかけが始まって以来、反体制派や人権活動家ら100人以上が当局の摘発で身柄を拘束されるなどしているという。(c)AFP