【3月2日 AFP】外務省の松永健(Takeshi Matsunaga)国際報道官は2日、前原誠司(Seiji Maehara)外相が事務方に対し、中国への政府開発援助(ODA)を削減すべきか検討して6月までに報告するよう指示していたことを明らかにした。

 松永報道官はAFPに送った電子メールで、日中国交正常化40周年を来年に控え、日中両国は「戦略的互恵関係」の深化を目指していることに言及し、この文脈の中で日中の新しい協力の形を作っていくことが重要だと述べた。

 共同通信(Kyodo News)によると政府の中には国内総生産(GDP)で日本を抜いて世界2位となった中国にもはやODAは不要との考えがある一方、反日感情を和らげ、日本企業の中国進出を後押しした面もあったODAを削減すると悪い影響が出るのではないかと懸念する声もある。

 また、中国では今後も貧富の格差の拡大や環境破壊が進む恐れもあることから、日本がODAを通じて中国に影響力を行使できる余地はまだ大きいとの見方もあるという。(c)AFP