【2月21日 AFP】中国の国営メディアは21日、中東で相次ぐ反体制デモに触発されて前週末にインターネット上で呼びかけられた抗議デモは「パフォーマンスアート」だったと断じた。また、物価高や土地問題、汚職問題などについては、がまんするように国民に呼びかけた。

 中国国外の中国人活動家たちは、インターネットや携帯電話のテキストメッセージなどを使い、チュニジアの「ジャスミン革命(Jasmine Revolution)」にならった中国版ジャスミン革命として、10以上の中国の主要都市でのデモを呼びかけた。

 そのため20日は、北京(Beijing)や上海(Shanghai)など各都市で警察官が警戒にあたったが、デモ参加者はわずかな数しか集まらなかった。

 国外向けに過激な反西洋の論調をすることで知られる国営英字紙・環球時報(Global Times)は、「西側には中国が『次のエジプト』になって欲しいと願う声もあるようだが、それはありえない」とした上で、デモは「わずかな人が『パフォーマンスアート』で注目を集めただけ」で、「『革命』を求める彼らの運動はつまずくだろう。なぜならば国民が反対しているからだ」と結論づけた。

 さらに、「あのような人びとは路上にいる物乞いに似ている。それ以外の人たちは進歩しているのに、決していなくならない」と非難した。

 一方、中国共産党の機関紙で国内向けの人民日報(People's Daily)はより慎重な論調の社説を掲載し、中国には成長にともなう社会不安の火種があるとの認識を示した。インフレや土地問題、貧富の拡大、当局者にまん延する汚職など、中国は、反体制デモが相次ぐアラブ諸国と同じ問題を抱えている。

 その上で人民日報は、中国国内の体制批判者が政府を支持していないと非難し、「批判することが使命だと考える者もいるようだ。そのような観点は一方的であり、無責任な集団の言い訳にさえなる」と述べた。(c)AFP