【2月14日 AFP】反政府デモによるチュニジアの強権体制崩壊から14日で1か月を迎えるなか、同国からイタリアに流入する不法移民の急増が問題となっている。欧州連合(EU)からの圧力が高まる一方、13日にはアハメド・ウナイエス(Ahmed Ounaies)外相が就任からわずか3週間で辞任に追い込まれ、暫定政権は困難に直面している。

 イタリアのランペドゥーサ(Lampedusa)島には、この5日間だけで約5000人がチュニジアから押し寄せた。政府筋によると、内務省は治安部隊を沿岸部に派遣し国民の流出を食い止めようとしているという。

 不法移民らは、貧困と政変による治安の悪化を国外脱出の理由として主張している。

 イタリアは流入阻止のためEUに緊急支援を要請。イタリアの反移民政党・北部同盟(Northern League)所属のロベルト・マローニ(Roberto Maroni)内相は、テレビの取材に「チュニジアのシステムは崩壊し始めている」と述べ、イタリア警察をチュニジアに派遣して不法移民の流出防止にあたらせてもよいと発言した。

 これに対し、暫定政府側は衛星テレビ局アルアラビア(Al-Arabiya)に「容認できない」と強く拒否した。

 14日には、EUのキャサリン・アシュトン(Catherine Ashton)外交安全保障上級代表がチュニジアを訪問し、民主改革をめぐって暫定政権のモハメド・ガンヌーシ(Mohammed Ghannouchi)首相と会談する予定で、不法移民問題も主要議題となるとみられる。(c)AFP/Kaouther Larbi