【2月4日 AFP】緩いつながりで結ばれた世界的ハッカー集団「アノニマス(Anonymous、匿名)」がチュニジア、エジプト政府のウェブサイトに続き、今度はイエメンのアリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)大統領のウェブサイトを攻撃の標的とした。

 アノニマスのメンバーの呼び掛けに続き、サレハ大統領のウェブサイトは3日、接続不能になった。

 スペインのコンピューターセキュリティー会社「パンダセキュリティ(Panda Security)」の専門家はAFPに対し、「世界的な広がりを見せている。彼らはこれらの国々のために自由を獲得することが目的だと考えている」と語った。

 イエメンの首都サヌア(Sanaa)では3日、「怒りの日」として数万人が反政府デモに参加した。エジプトの首都カイロ(Cairo)ではホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)大統領の退陣をめぐる抗議デモや衝突が続いている。

 アノニマスは前月26日、エジプト政府のウェブサイトへの攻撃を開始。その後、当局はインターネットを遮断した。ネットが復旧した2日、与党・国民民主党(National Democratic PartyNDP)や内務省などのウェブサイトへの攻撃を再開した。ただ、この日は国内のほとんどのサイトにアクセスすることができた。

 アノニマスは前月にはチュニジア政府や証券取引所のサイトを閉鎖に追い込んだほか、前年12月には内部告発ウェブサイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」との取引を停止したクレジットカード大手ビザ(Visa)とマスターカード(Mastercard)、米インターネット小売大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)、オンライン決済サービス「ペイパル(PayPal)」にハッカー攻撃を仕掛けた。(c)AFP