【1月26日 AFP】チュニジアで反政府デモにより強権体制が崩壊したことを受け、エジプト各地で25日、ホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)大統領の退陣を求める数万人規模の反体制デモが行われ、デモの参加者2人と警官1人が死亡した。

 死亡の詳しい経緯は分かっていないが、デモの参加者2人が死亡したスエズ(Suez)と警官1人が死亡した首都カイロ(Cairo)など数都市では、警官隊が催涙ガスを発射、デモ隊が投石で応酬するなどの事態に発展した。
 
 カイロでは2万人から3万人の警官が配備されるなか、デモ隊が「ムバラク政権打倒」を叫びながら中心部のタフリール(Tahrir)広場まで行進した。議事堂に通じる別の道路では、警官隊がデモ隊に放水し、デモ隊が投石で応酬。デモ隊が警察車両を一時乗っ取る場面も見られた。

 この日のデモは、民主主義を支持する「4月6日運動(April 6 Movement)」なる青年組織が呼びかけた。祝日である「警察の日(Police Day)」とも重なった上、チュニジアで反政府デモによってジン・アビディン・ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)前大統領の強権体制が崩壊した「ジャスミン革命」に触発されたこともあり、補助金削減によるパン価格高騰に端を発した1977年の抗議デモ以来の規模となった。(c)AFP/Jailan Zayan