【1月17日 AFP】イスラエルと米国が共同でイランの核兵器開発を妨害するコンピューターウイルス開発を進めていたと米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が16日、報じた。

 ニューヨーク・タイムズは情報機関および軍事専門家の話として、イスラエルが「スタクスネット(Stuxnet)」と呼ばれるコンピューターウイルスの効果を実際に試験していたと伝えた。

 イランでは昨年11月、ナタンツ(Natanz)にあるウラン濃縮施設がサイバー攻撃を受け、遠心分離機の稼動が一時、停止したが、これは「スタクスネット」によるものだったとみられる。このサイバー攻撃により、イランの核開発工程は遅れを余儀なくされた。

 ニューヨーク・タイムズによると、イスラエルが「スタクスネット」の試験を実施したのは、南部のネゲブ(Negev)砂漠のディモナ(Dimona)にある研究開発施設。イスラエルは否定しているが、厳重な警備体制が敷かれた同施設では核開発が行われているとの見方もでている。

 軍事専門家がニューヨーク・タイムズに語ったところによると、「スタクスネット」開発は、イスラエルと米国の共同プロジェクトで、未確認ではあるが英国やドイツも関与している可能性がある。この専門家は、「ウイルスの効果を確認するには、攻撃対象となる機械を知る必要がある」と述べ、「スタクスネット」が実際に威力を発揮したのは、イスラエルが実地試験を行っていたためだと話した。(c)AFP