【12月25日 AFP】ロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領は24日、テレビのインタビュー番組で、日本の北方四島を指す南クリール諸島(South Kuril Islands)は「すべてロシア領だ」と語った。

 また、メドベージェフ大統領は、ロシアが北方四島を放棄しないことについて日本はあきらめるべきだと述べ、その代わりに北方四島に自由経済圏を作ることを検討すべきだと語った。

「(北方四島は)われわれの領土だ。クリール諸島(Kurils、千島列島)を再建し、人びとが人間的な生活を送れるようにあらゆる手を打つなど、必要な判断はすべて行うべきだ。住民とも約束した」

 メドベージェフ大統領は11月に北方領土の国後島(クナシル島)を訪問している。

 千島列島は金や銀などが豊富で、周囲の海は水産資源に富む。現在1万9000人が暮らしているが、列島のインフラ整備はすすんでおらず、生活するロシア人の大半が非常に厳しい環境でかろうじて生活をしている。

 メドベージェフ大統領は、「共同の経済プロジェクトほど両国を親密にするものはない」と述べ、ロシアと日本が共同で北方四島での経済プロジェクトを行うべきだと語った。

 メドベージェフ氏は「1つの経済地区、自由貿易地区の創設を検討してもよい。そこでは誰もが稼ぐことができるだろう。特別なミクロ経済環境がうまれるだろう。人びとが働きにやってくるようになる。日本国民も働きに訪れ、史跡をめぐり、現地で仕事をみつけることができるだろう」と述べ、「これこそが正しい方策であり、菅直人(Naoto Kan)首相に日本で伝えた内容だ」と語った。(c)AFP/Anna Smolchenko

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