【12月10日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相は9日、英警察が内部告発ウェブサイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の創設者、ジュリアン・アサンジ(Julian Assange)容疑者を逮捕したのは「非民主的」だと非難した。アサンジ容疑者を支持する動きが一部の世界的指導者の間で広まりつつある。

「アサンジ氏は、なぜ投獄されなければならなかったのか。これが民主主義か。まさに『自分のことを棚に上げて他人を批判する』行為だ」。プーチン首相はこのように述べ、アサンジ容疑者の逮捕を激しく非難した。

 そんなプーチン首相自身も、ウィキリークスが公開した外交電文で恥ずかしい思いをした1人だ。ある外交電文では、プーチン首相の役割を快く思わないヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官が同首相を「背後で暗躍する操り人形師」と呼んでいた。ロシア高官による汚職に触れた別の電文では、プーチン首相を「イヌの群れのリーダー」と表現していた。

 アサンジ容疑者への「連帯」を公言した国家指導者には、他にブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)大統領がいる。ルラ大統領はアサンジ容疑者は「手が届かないと思われた民主主義を白日の下にさらした」人物だと評し、同容疑者の逮捕を「表現の自由に対する攻撃」だと批判した。

 一方、ナビ・ピレー(Navi Pillay)国連人権高等弁務官(UN High Commissioner for Human Rights)は、スイス・ジュネーブ(Geneva)で記者会見を開き、「民間企業や銀行、カード会社」などが圧力を受けてウィキリークスとの商的取引を停止したのは「情報公開への検閲行為と解釈することができ、潜在的にウィキリークスの表現の自由を侵害していると言える」と述べている。(c)AFP/Maria Antonova