【11月29日 AFP】内部告発ウェブサイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」が29日公開した米政府の外交電文で、米国務省が各国に駐在する外交官らに「スパイ活動」を指示していたことが明らかになった。入手するべき情報として、駐在国の要人のクレジットカード番号や飛行機のマイレージ登録番号なども指定されている。

 米国の情報活動は従来、米中央情報局(CIA)などの情報機関が担っている。しかし、公開された公電からは、国務省がアフリカ、中東、東欧、中南米など33か国の在外公館や国連(UN)本部などに駐在する外交官に、情報員としての仕事を割り振っていたことがうかがえる。

 例えば、英紙ガーディアン(Guardian)が入手し報じた2009年7月のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官名義の電文は、極秘使命として米外交官に対し、国連高官が公私の通信で使用するパスワードや暗号手段などを調べるよう指示していた。

 探り出すべき個人情報は、クレジットカード番号、Eメールアドレス、電話やファックス、携帯電話の番号、航空会社のマイレージ登録ナンバーまで多岐にわたる。極秘情報収集の対象には潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長も含まれ、「管理や意思決定スタイル」や「国連事務局における影響力」を調査するよう指示していた。

 また、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は、同じくクリントン長官の署名入りの電文で、ニューヨーク(New York)国連代表部駐在の米外交官らに、北朝鮮高官の経歴や生体認証情報を収集するよう指示が出されていたと報じた。(c)AFP/Lachlan Carmichael

【関連記事】
ウィキリークスに大規模サイバー攻撃
露トップ2は「バットマンとロビン」、ウィキリークスが暴露した米外交公電