【11月24日 AFP】北朝鮮による砲撃事件について、24日までの中国国営メディアは北朝鮮批判を避けており、一部には北朝鮮を擁護するような論調もみられた。

 国営紙・環球時報(Global Times)は論説で「小競り合いの中で、北朝鮮はその強じんささえ示した」とし、逆に韓国の「(対北朝鮮)強硬路線の失敗」を批判した。共産党の機関紙、人民日報(People's Daily)はトップで、韓国側が「無謀な軍事的挑発」で突然攻撃してきたために反撃したという北朝鮮側の主張を報じた。また新華社(Xinhua)通信は、衝突が起こった経緯は明確にせずに、「砲撃戦とされる(事件)」と表現した。

 中国メディアの反応について専門家らは、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)政権が崩壊した場合、北朝鮮から大量の難民が中国へ流入することを懸念して、そうならないために北朝鮮の体制を支えたいという意向が働いているとみている。

 また中国は、朝鮮半島周辺地域における米国の影響力を抑えたいとも考えており、さらには南北統一が実現した場合、米国と同盟関係にある韓国の政府が朝鮮半島全体を支配することを恐れているという見方もある。

 中国は3月に韓国の哨戒艦「天安(Cheonan)」が沈没した際にも、魚雷攻撃を行ったとして北朝鮮を非難した国際社会とは距離を置いた。(c)AFP/Dan Martin