【11月23日 AFP】チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世が来年、チベット亡命政府の指導者の立場から引退する意向を示した。仕事量や儀礼的な役割を減らすことを検討しているという。ダライ・ラマの報道官テンジン・タクラ(Tenzin Taklha)氏が23日、AFPに語った。

 チベット亡命政府は1960年にインド北部ダラムサラ(Dharamshala)に拠点を移した。2001年には初めて亡命中のチベット人による投票で主席大臣を選出した。

 タクラ氏によれば、投票以降、ダライ・ラマはいつも「半分引退した状態」と述べていた。また最近は「亡命政府議会に将来の引退について相談していた」という。

 タクラ氏によると、ダライ・ラマが「引退」するのは、決議への署名などの政府トップとしての儀礼的な役割からであり、宗教的指導者としての立場や、チベット人のリーダーとしての立場から引退するわけでないと強調した。

 タクラ氏は、「(ダライ・ラマが)政治的なたたかいの指導をやめるわけではない。彼はダライ・ラマだ。いつだってチベットの人びとを率いる存在なのだ」と述べた。(c)AFP