【11月9日 AFP】クラスター(集束)爆弾の使用を禁止した「クラスター爆弾禁止条約(Convention on Cluster Munitions、オスロ条約)」の第1回締約国会議が9日、ラオスの首都ビエンチャン(Vientiane)で開幕した。

 開会式でラオスのチュンマリ・サイニャソーン(Choummaly Sayasone)大統領は、「わが国はクラスター爆弾の被害が世界で最も大きい国のひとつだ。今も国民が不発弾に生命を脅かされている」と述べ、開発や貧困撲滅を進める上で不発弾の除去は急務だと強調し、国際社会に支援を呼びかけた。

■今後10年で240億円必要

 ベトナム戦争時、米軍はラオスにも大量のクラスター爆弾を投下し、ラオスは人口1人当たりの投下された爆弾の量が世界で最も多い国となってしまった。まき散らされた子爆弾の30%近くが不発弾となり、今も国内各地に残っている。今年の8月1日に発効したオスロ条約はクラスター爆弾の使用や製造、保有を禁じているほか、締約国がクラスター爆弾の被害を受けた締約国に財政的支援を行うことも定めている。

 国連(UN)のラオス担当コーディネーター、ソナム・ヤンチェン・ラナ(Sonam Yangchen Rana)氏によると、不発弾の除去、クラスター爆弾の被害者支援、子どもたちに不発弾の危険性を教える活動などで、ラオスは今後10年間で3億ドル(約240億円)が必要だという。

 ラオスとベトナムに次いで、イラクやカンボジアにも多数のクラスター爆弾が不発弾として残存している。

■ラオス初の国際会議

 インドシナ半島内陸の社会主義国家であるラオスは人口が約600万人で国土のほとんどが山地に属する。アジアの最貧国の1つで、同国で世界規模での問題を扱う国際会議が開かれるのは初めて。会場となった劇場に向かう道路脇では、花を手にした生徒たちが立ち並び、会議の開幕を祝った。

 4日間の日程で行われる会議に参加するため、締約国の政府や軍の関係者、非政府組織の職員、さらにクラスター爆弾の被害者など1000人あまりがラオスを訪れた。(c)AFP/Ian Timberlake

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