【11月5日 AFP】(写真追加、一部更新)尖閣諸島(Senkaku Islands、中国名:釣魚島)沖で起きた中国漁船と海上保安庁(Japan Coast Guard)巡視船の衝突を撮影したとみられる映像が、5日早朝までにインターネット上に流出した。関係当局は対応に追われている。

 海上保安庁が撮影した映像は、菅直人(Naoto Kan)首相や衆参予算委員会の理事ら約30人が視聴したが、問題拡大への懸念から、一般公開はされていない。

 動画共有サイト、ユーチューブ(YouTube)に投稿された映像は6本、計44分。撮影者の乗った巡視船と並行に航行していた青い船体の中国漁船が、進路を変え、巡視船の右舷に衝突する様子が映っている。

 産経新聞(Sankei)(電子版)は、海保関係者の「恐らく本物だ」とのコメントを報じている。

 鈴木久泰(Hisayasu Suzuki)長官は5日の衆院外務委員会で、「鋭意調査中」と回答するにとどまった。また、仙谷由人(Yoshito Sengoku)官房長官は真偽は不明としつつ、流出だとしたら「由々しき事態だ」と述べるとともに、中国側がすでに外交ルートで問い合わせてきていることを明らかにした。

 菅首相と中国の温家宝(Wen Jiabao)首相は最近行われたブリュッセル、ハノイでの首脳会議で、公式な日中首脳会談を行えずにおり、関係修復を模索している最中だった。

 共同通信(Kyodo News)は、仙谷由人(Yoshito Sengoku)官房長官と来日中の唐家セン(Tang Jiaxuan)元国務委員が4日、関係改善に努力することで合意したと伝えていた。(c)AFP

【参考】投稿された動画の1つ