【11月3日 AFP】英国とフランスは、合同部隊の設置や核試験施設の共有など軍事協力の強化を図ることで合意した。デービッド・キャメロン(David Cameron)英首相とニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領が2日、ロンドン(London)での会談後、2つの条約に調印した。

 両国とも金融危機の影響で緊縮財政を強いられるなか、軍事面で中心的地位を維持する狙いがある。

 条約は、2020年をめどとした空母の共有や、緊急時に英仏それぞれが兵士5000人を派遣する共同派遣部隊を設置し、来年から稼動可能とすること、2015年までに核兵器研究施設を共同で設立ことなどが含まれている。ただし、条約は両国の単独での軍事行動を妨げるものではないという。

 調印式典後の共同記者会見で、キャメロン首相は「英仏両国の防衛および安全保障協力の長い歴史において新たな1章が開かれた」と語った。サルコジ大統領も「歴史的で前例がない」と条約調印をたたえた。

 英仏はともに北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty OrganisationNATO)のメンバーでありながらも、歴史的には数世紀にわたりライバル国だった。2003年にも米主導のイラク戦争への参戦可否をめぐって対立している。(c)AFP/Alice Ritchie