【11月2日 AFP】(一部更新)前原誠司(Seiji Maehara)外相は2日、記者団に対し、河野雅治(Masaharu Kono)駐ロシア大使を近く一時帰国させると述べた。ロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領は前日の1日、北方領土の国後島を訪問していた。

 専門家たちは、メドベージェフ大統領の国後島訪問は、金・銀などの鉱物資源と豊かな水産資源がある北方領土をロシアが諦めることはないという、日本政府に向けた明白なメッセージだと指摘する。

 拓殖大学(Takushoku University)の木村汎(Hiroshi Kimura)教授(ロシア政治)は、メドベージェフ大統領の国後島訪問は、ロシアが4島返還に応じない可能性もあるという旧ソ連時代も含めたロシアの指導者として最も強硬なスタンスのメッセージで、ロシアは菅直人(Naoto Kan)政権の安全保障問題の処理能力を試している、と述べた。

 北海道大学(Hokkaido University)の岩下明裕(Akihiro Iwashita)教授は、日本がロシアに対抗措置を取らなければ、日本はこの種の問題になすすべがないというメッセージを世界に送ることになり、日本はアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議で難しい外交上の選択を迫られるだろうと指摘した。(c)AFP/Kyoko Hasegawa

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