【10月28日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)政権の政策に反対する米保守派の市民運動「ティーパーティー(Tea Party)」が来月2日の米中間選挙を前に注目を集める中、これに真っ向から対抗する草の根運動「コーヒーパーティー(Coffee Party)」がじわじわと支持を広げている。
 
 ティーパーティー運動とは、2008年のオバマ大統領の当選直後に発足したオバマ政権批判の急先鋒で、「押し付けがましい」政府を阻止し「良識があり憲法を順守した保守的な自己統治」を目指している。名称は、1773年に当時の宗主国・英国の紅茶税に怒った米市民が紅茶を海に投げ捨て、米国の独立につながった「ボストン茶会事件」にちなむ。

■うんざりした一市民がウェブ上で立ち上げ

 これに対しコーヒーパーティー運動は、オバマ政権の医療保険改革が議会やメディアで激しく叩かれているのを見かねたアナベル・パーク(Annabel Park)さんが、今年1月に米SNS「フェースブック(Facebook)」上に立ち上げたグループが発端だ。

「ティーパーティーにほとほとうんざりして、自分の考えを表したいと思って。反応してくれる人たちが結構いて、『よし、こっちも自前の運動を起こそう』という流れになったんです」。小柄で物腰の柔らかいパークさんは、それまでウェブ上の交流ページを作ろうと思ったことなどなかったと話した。

■無党派層の声反映し急成長

 米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)で紹介されたのを機に、コーヒーパーティー運動は一躍有名になり、今ではフェースブックのグループ参加者は30万人を超えた。パークさんの個人的な運動が、無党派層の政治運動に発展したのだ。

 コーヒーパーティーの目標は、「政府への協力を願う米国市民に発言権を与えること」。来る中間選挙では、ミズーリ(Missouri)州に独自の候補者を立てた。 

 パークさんはこの急成長ぶりを次のように分析した。「つまりこれこそが、一般市民のティーパーティー運動に対するリアクションということです。ティーパーティーの人びとは、あらゆるメディアで『自分たちこそ真のアメリカだ』と豪語しています。でも、彼らの変革の仕方は危険なんです」(c)AFP/Edouard Guihaire

【参考】米草の根運動「コーヒーパーティー(Coffee Party)」のHP(英語)