【10月5日 AFP】経済協力開発機構(Organisation for Economic Cooperation and DevelopmentOECD)のアンヘル・グリア(Angel Gurria)事務総長は4日、日本は首相が頻繁に変わりすぎ、これが経済回復を妨げていると苦言を呈した。

 スペインのマドリード(Madrid)で開かれた経済会議で、20年におよぶ日本の景気低迷についての質問を受けて述べたもので、グリア氏は「日本は非常に複雑な経済問題に直面しているが、同時に統治にも問題がある」と語った。

 また、「近年、日本では何人の首相が誕生したのか。5人か6人だったろうか。これは状況改善の役に立たない」と述べ、「政権が不安定だと政府は今日、明日にでも取り組まねばならない課題に気をとられ、緊急性のない中期的な問題はおろそかになりがちだ」と説明した。

 さらに、日本は就業人口の約4割が労働者の権利や各種保障がほとんどない非正規雇用になっているという労働市場の二重構造の是正が必要だとの認識を示し、「まるで新興国の話のようだが、これは日本の話だ」と語った。

 1月に日本の長期国債の格付け見通しを、安定的であることを示す「AA」から弱含みを示す「ネガティブ」に引き下げた米格付け機関スタンダード&プアーズ(Standard and Poor's)は9月、近年の頻繁な首相の交代が赤字財政への対応を困難にしているとの理由で再び日本国債の格付けを見直す可能性を示唆した。(c)AFP